国の「主役」は誰?国民主権と民主主義の仕組みを徹底解説

人権と日本国憲法

皆さん、こんにちは!「社会人先生」です。今日も楽しく公民を学んでいきましょう。

「政治って、偉い人たちが勝手に決めているんじゃないの?」

「自分の一票なんて、本当に意味があるのかな?」

そう思ったことはありませんか。しかし、今の日本において、政治の「最終的な決定権」を握っているのは、総理大臣でも国会議員でもなく、私たち国民自身です。

今回は、日本国憲法の最も重要な柱である国民主権について、その意味や民主主義との関係、そして主権がない国では何が起きるのかを、どこよりも分かりやすく解説します。

国民主権


1. 国民主権:政治を動かす「最終的な力」

国民主権とは、「国の政治のあり方を最終的に決定する権限は国民にある」という原理です。

昔の「大日本帝国憲法」では、主権は天皇にありました(天皇主権)。しかし、今の憲法では私たちが主役です。主権者は、自分たちの生活をどうしたいかを選ぶ権利と責任を持っています。


2. 「直接」か「代表」か:民主主義の2つのカタチ

国民が主権を行使して政治を行う仕組みを民主主義といいます。これには大きく分けて2つの方法があります。

直接民主制

国民が直接集まって、話し合いや投票で物事を決める仕組みです。

  • :スイスの一部の州(ランツゲマインデ)では、今でも広場に住民が集まって直接手を挙げて決議をしています。
  • 課題:人口が多い国や広い国では、全員が集まるのが難しいため、実行しにくいのが現実です。

間接民主制(議会制民主主義)

自分たちの代表(国会議員など)を選挙で選び、その代表者に実際の政治を任せる仕組みです。

  • 日本の現状:今の日本はこの形をとっています。私たちが直接総理大臣を選ぶことはできませんが、総理大臣を指名する国会議員を選挙で選ぶことで、間接的に意思を伝えています。

3. 【比較】国民主権がある国・ない国

国民主権が守られている社会と、そうでない社会(独裁など)では、私たちの暮らしはどう違うのでしょうか。

比較項目国民主権がある国国民主権がない国(独裁など)
決まり方国民の意見や選挙で決まる指導者や特定のグループが勝手に決める
言論の自由政治の文句を言っても捕まらない政府を批判すると逮捕されたり、検閲されたりする
情報の公開政治のお金の使い道などが公開される都合の悪い情報は隠される
具体例現代の日本、アメリカ、イギリスなどナチス・ドイツ(ヒトラー)の時代など

歴史上の例でいうと、ヒトラーは民主的な憲法を停止し、独裁を行いました。そこでは国民の自由平等は奪われ、一人の意志で戦争へと突き進んでしまいました。国民主権は、こうした悲劇を防ぐための「防波堤」なのです。


4. 自由で平等な社会の土台

国民主権が正しく機能するためには、国民が自由平等であることが欠かせません。

  • 自由権の保障:自分の意見を自由に言える(表現の自由)からこそ、正しい政治の選択ができます。
  • 平等権の保障:身分や性別に関係なく、誰もが一票を持つ(普通選挙)からこそ、一部の人のための政治になるのを防げます。

もし、お金持ちだけが10票持っていたり、特定の宗教の人しか意見を言えなかったりしたら、それは本当の国民主権とは言えません。


5. 私たちが主権を行使する具体的な場面

私たちは選挙以外でも、主権者として政治に参加する場面があります。

  1. 国民投票:憲法を変える(憲法改正)ときには、最後は国民が直接YESかNOを決めます。
  2. 国民審査:最高裁判所の裁判官がふさわしいかどうか、国民がチェックします。
  3. 地方自治の直接請求:自分の住む街のルール(条例)を新しく作ってほしいと署名を集めて要求できます。

6. 豆知識:投票の悩み「温水プールか大型モールか」

究極の選択

ある街の選挙で、候補者Aさんは「子育て世代のために大きなこども園をつくり、街に住んでいる人は無料です!」と言い、候補者Bさんは「お年寄りのために老人ホームを作って、街に住んでいる人は無料です!」と言いました。

どちらが正解ということはありません。大切なのは、私たち国民が「自分たちの街をどうしたいか」を考え、一票を投じることでその未来を自分たちの手で選ぶプロセスそのものなんです。


7. 基礎用語の確認問題(5問)

【問1】 国の政治のあり方を最終的に決定する権限が国民にあるという原理を何といいますか。

【問2】 国民が直接集まって物事を決める民主主義の仕組みを何といいますか。

【問3】 国民が選んだ代表者を通じて政治を行う民主主義の仕組みを何といいますか。

【問4】 日本国憲法において、憲法を改正する際に最後に行われる、国民の意思を確認する手続きを何といいますか。

【問5】 独裁政治において、政府が都合の悪い情報を隠したり、手紙や新聞を調べたりすることを何といいますか。


8. 基礎用語の確認問題の答え

【問1】 国民主権

【問2】 直接民主制

【問3】 間接民主制

【問4】 国民投票

【問5】 検閲


9. 入試に出る記述問題

【問題】

今の日本で「間接民主制」がとられている主な理由を、「規模」という言葉を使って説明しなさい。

【解答例】

現代の国家は人口が多く、規模が非常に大きいため、主権者である国民全員が常に一箇所に集まって直接議論し、物事を決定することが現実的に困難だから。


10. まとめ

  1. 国民主権とは、政治の主役は私たち国民であり、最終決定権を持っていることである!
  2. 国民が選んだ代表者が政治を行う間接民主制が、現代の日本の基本である!
  3. 国民主権は、自由平等な社会を守るための最も重要なルールである!
  4. 主権がない独裁国家では、情報の検閲や人権侵害が行われ、国民の意志が無視されてしまう。
  5. 選挙や国民投票を通じて、私たち主権者には国の未来を形づくる責任がある!

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