皆さん、こんにちは!「社会人先生」です。今日も一緒に社会科の公民について学んでいきましょう!
前回の「社会権」は国家に助けを求める権利でしたが、今日のテーマは、私たちが自分らしく生き、不当な扱いから身を守るための権利です。
人権保障を確かなものに
1. 請求権:もし権利が守られなかったら?
「何か被害を受けたとき、国に何とかして!」と要求できる権利を**請求権**といいます。
悲しい事件から学ぶ「裁判を受ける権利」
1977年、三重県鈴鹿市である悲しい事故が起きました。 近所の人が善意で預かっていた子どもが、ため池で亡くなってしまったのです。 親であるAさんは、預かっていたBさんや市などを相手に裁判を起こしました(損害賠償請求)。
しかし、裁判が進むにつれ、AさんにもBさんにも「金目当てか」「人殺し」といったひどい誹謗中傷が届くようになります。今のSNS時代ならもっと恐ろしいことになっていたでしょう。
結局、Aさんは裁判を取り下げてしまいました。これは、国民の大切な権利である**裁判を受ける権利**が、周囲の圧力によって奪われてしまった遺憾な事態なのです。
冤罪から人生を取り戻す「刑事補償請求権」
また、無実の罪で35年間も死刑の恐怖と戦い続けた赤堀政夫さんの事件(冤罪)もあります。 無罪が証明された後、赤堀さんは**刑事補償請求権**を行使しました。失われた35年間の補償として約1億2000万円が支払われましたが、奪われた人生の重さを考えると、皆さんはどう感じますか?
2. 参政権:国のルール作りに参加する権利
主権者である私たちが、政治に参加する権利を**参政権**といいます。
- 選挙権:代表者を選ぶ権利(満18歳以上)。
- 被選挙権:選挙に立候補する権利。
3. 自由権:あなたが「選ぶ」ことを守る権利
国家に邪魔されず、自由に考え、行動できる権利が**自由権**です。
- 精神の自由:心の中で何を考えても、何を信じてもいい自由。
- 身体の自由:正当な理由なく捕まったり、拷問されたりしない自由。
- 経済活動の自由:好きな仕事を選び、好きな場所に住む自由。
4. 基礎用語の確認問題(5問)
【問1】国民が選挙に参加したり、立候補したりする権利をまとめて何といいますか。
【問2】裁判所に訴え、法に基づいて解決を求める権利を何といいますか。
【問3】公務員のミスなどで損害を受けた際、国や地方公共団体に賠償を求める権利は何ですか。
【問4】無実なのに逮捕・拘留された人が、無罪判決の後に国に補償を求める権利は何ですか。
【問5】現在、日本の選挙権は何歳から認められていますか。
5. 基礎用語の確認問題の答え
- 【問1】 参政権
- 【問2】 裁判を受ける権利
- 【問3】 国家賠償請求権
- 【問4】 刑事補償請求権
- 【問5】 18歳
6. 高校入試対応:記述問題
【問題】 鈴鹿のため池事件のように、周囲からの嫌がらせなどで裁判を取り下げてしまうことは、憲法で保障されたどのような権利を侵害することになりますか。権利の名前とその重要性を説明しなさい。
7. 高校入試対応:記述問題の答え
【解答例】
権利は「裁判を受ける権利」であり、法治国家において誰もが平等に、公正な手続きで権利や利益を守るために非常に重要な権利である。まとめ: 人権は、ただ待っているだけでは守られないこともあります。 参政権でルールを作り、自由権を誇り、もしもの時は請求権で自分を守る。 このセットを忘れずに!
