君たちの未来を守る最強のルール。「子どもの人権」と権利のバランス

人権と日本国憲法

皆さん、こんにちは!「社会人先生」です。今日も楽しく公民を学んでいきましょう。

「子どもなんだから言うことを聞きなさい!」なんて言われたことはありませんか? もちろん、大人のアドバイスは大切ですが、実は「子ども」という理由だけで、一人の人間としての権利が無視されていいわけではありません。

今の日本、そして世界には、君たち「子ども」を守るための非常に強力なルールが存在します。今回は、世界基準の「子どもの権利条約」から、2023年にスタートした「こども基本法」、そして最近話題になる「権利の履き違え」の問題まで、どこよりも分かりやすく解説します!

子どもの人権~基本的人権の尊重~


1. 世界の約束:「子どもの権利条約」

1989年に国連で採択され、日本も1994年に批准(約束)したのが子どもの権利条約です。この条約には、子どもを「保護の対象」としてだけでなく、「権利を持つ主体」として認める4つの大きな柱があります。

  1. 生きる権利:命が守られ、健康に育つことができる。
  2. 育つ権利:教育を受け、遊ぶことができ、自分らしく育つ。
  3. 守られる権利:あらゆる虐待や搾取から守られる。
  4. 参加する権利:自分に関係のあることに意見を言い、参加できる。

特に「守られる権利」は、家庭内での虐待から子どもを守る児童相談所の活動などの根拠になっています。


2. 日本の新ルール:「こども基本法」の誕生

2023年4月、日本でこども基本法が施行されました。これは、憲法13条の「個人の尊重」の精神を、子どもに特化してより確実にするための法律です。

  • 何が変わったの?:政治や地域の仕組みを決める時、これからは「こどもの意見」を聴き、それを尊重することが義務付けられました。「こども家庭庁」という司令塔も作られ、社会全体で君たちを支える体制が整ったのです。

3. 「差別」と「区別」の違い:人権を深く考える

ここで、みんなに考えてほしいことがあります。基本的人権の尊重といっても、「みんな全く同じ扱い」にすることが常に正しいとは限りません。

次の例は「不当な差別」でしょうか?それとも理由のある「区別」でしょうか。

  • 女性専用車両はあるが、男性専用はない。
  • 大人はクレジットカードが作れるが、中学生は作れない。
  • 65歳以上の人はバスが無料だが、中学生は有料。

これらは、特定の事情(安全の確保や支払い能力、福祉など)に基づいた「区別」と考えられています。一方で、外国籍であることを理由にマンション入居を断るような行為は、憲法14条の「法の下の平等」に反する不当な「差別」です。何が差別で、何が必要な区別なのかを見極める感性を養いましょう。


4. 権利の「拡大解釈」と「責任」のバランス

最近、学校の現場でこんなことが起きることがあります。 「僕らには表現の自由があるから、授業中に大声で騒いでもいいんだ!」 「子どもの権利があるから、先生の指導に従わなくていいんだ!」

これは権利の拡大解釈(履き違え)です。 人権で最も大切なのは、日本国憲法12条にもあるように「公共の福祉のために利用する責任」です。

  • 自分の権利は、他人の権利を邪魔しない範囲で認められる。
  • 自分が騒ぐことで、他の人の「静かに学習する権利」を奪ってはいけません。権利は「わがまま」を通すための道具ではなく、お互いを「個人の尊重」として大切にするためのものなのです。

5. 豆知識:子どもの名前も「人権」?

名前の権利 実は、赤ちゃんが生まれたとき、親がどんな名前でもつけられるわけではありません。過去には「悪魔」という名前をつけようとした親が、裁判所で「子どもの幸せ(人権)を損なう」として認められなかった事例があります。子どもは親の「所有物」ではなく、独立した一人の人間としての権利(人格権)を持っているからこそ、名前も守られる対象になるのです。


6. 基礎用語の確認問題(5問)

【問1】 1989年に国連で採択された、子どもの基本的人権を国際的に保障する条約を何といいますか。

【問2】 2023年に日本で施行された、こどもの視点に立った政策を進めるための土台となる法律は何ですか。

【問3】 すべての人にとって使いやすいデザインを意識し、人権尊重の一環とも言える考え方を何といいますか。

【問4】 日本国憲法第14条で定められている、人種、信条、性別などで差別されない原則を何といいますか。

【問5】 自分の権利を主張する一方で、他人の権利を侵害しないよう配慮しなければならない限界のことを、漢字5文字で何といいますか。


7. 基礎用語の確認問題の答え

【問1】 子どもの権利条約

【問2】 こども基本法

【問3】 ユニバーサルデザイン

【問4】 法の下の平等

【問5】 公共の福祉


8. 入試に出る記述問題

【問題】 「子どもの権利」を主張して、学校の授業を妨害するような行為が認められないのはなぜですか。「他人の人権」という言葉を使って説明しなさい。

【解答例】 自分の一人の人権を主張することで、他人の人権(学習する権利など)を侵害してはならないという公共の福祉による制限があるから。


9. まとめ

  1. 子どもの権利条約によって、子どもは一人の権利の主体として世界中で守られている!
  2. 2023年スタートのこども基本法により、子どもの意見が政治に反映される仕組みができた!
  3. 生活の中には不当な「差別」と、理由のある「区別」があることを理解しよう!
  4. 虐待などの人権侵害から子どもを守ることは、社会全体の重要な責務である!
  5. 権利には責任が伴う。自分の権利と同じように他人の人権を尊重することが民主主義の基本である!


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