缶コーヒーはなぜみんな同じ値段?「独占・寡占」のナゾと、私たちが守られている仕組み

皆さん、こんにちは!「社会人先生」です。今日も楽しく公民(経済)を学んでいきましょう。

コンビニや自販機で缶コーヒーを買うとき、「どこのメーカーもだいたい同じような値段だな」と思ったことはありませんか?

本来、市場(しじょう)では「需要と供給」のバランスで価格が決まるはずなのに、なぜ多くの会社が同じような値段にそろってしまうのでしょうか。そこには独占(どくせん)・寡占(かせん)という経済のパワーバランスが隠されています。

今回は、身近な缶コーヒーや富士山の入山料を例に、価格の裏側をスッキリ解説します!

価格の働き


1. 「独占」と「寡占」ってどう違うの?

市場で商品を売っている会社の数によって、呼び方が変わります。

  • 独占(どくせん): その商品を売っている会社がたった1社の状態。
  • 寡占(かせん)数社(少数)の大企業が市場を支配している状態。

例えば、缶コーヒー。有名なブランドはいくつかありますが、実は大手6社ほどが市場のほとんどを占めています。これが「寡占」の状態です。


2. なぜ価格が「横並び」になるのか?(管理価格)

もし、あなたが缶コーヒー会社の社長だとしたら、どうやって価格を決めますか?

最初は「他社より安くして全部売るぞ!」と価格競争をしますが、安すぎると利益(利潤)がなくなってしまいます。逆に高すぎると誰も買ってくれません。

その結果、各社はライバルの動きを見ながら、「これくらいの値段なら、みんな買ってくれるし利益も出る」というラインで価格をそろえるようになります。これを管理価格(かんりかかく)といいます。

一度価格が決まると、競争が弱まって価格が下がりにくくなる「価格の硬直化」が起きるのが特徴です。


3. 消費者を守る最強の番人「独占禁止法」

もし、大手企業の社長たちがこっそり集まって、「明日から缶コーヒーを全部500円にしようぜ!」と話し合って決めたらどうなるでしょう? 私たち消費者は困り果ててしまいますよね。

このような、話し合いで勝手に価格を決める不正なルール(カルテル)などを防ぐために独占禁止法(どくせんきんしほう)という法律があります。

そして、この法律が守られているか厳しくチェックしているのが公正取引委員会(こうせいとりひきいいんかい)です。「経済の警察官」とも呼ばれる、とっても重要な組織なんですよ!


4. 【豆知識】価格で「人数をコントロール」する?

価格は、モノを売るためだけでなく、**「人数を調整するため」**に使われることもあります。

★ 歴史の裏側:富士山の入山料 富士山が世界文化遺産になり、登山者が増えすぎて環境破壊が心配されました。そこで「入山料」として1,000円を徴収するようになりました。 これは、価格を設定することで「本当に登りたい人だけが来るようにする(需要を調整する)」という、価格の働きを利用して混雑を制限しているのです。もしこれが100円だったら、人が多すぎてゆっくり登山を楽しめなくなってしまいます。


5. 市場で決まらない「公共料金」

私たちの生活に欠かせない電気、ガス、水道、郵便料金などは、市場の自由な競争に任せるのではなく、政府や地方公共団体が決めています。これを公共料金といいます。

これらは国民生活への影響が大きいため、勝手に値上げされないようにルールで守られているのです。


6. 基礎用語の確認問題(5問)

【問1】 1社だけで市場を支配している状態を何といいますか。

【問2】 数社の大企業で市場を支配している状態を何といいますか。

【問3】 寡占市場などで、他社の動向をみて設定され、下がりにくくなった価格を何といいますか。

【問4】 不当な価格のつり上げなどを防ぎ、自由な競争をうながすための法律を何といいますか。

【問5】 独占禁止法が守られているか監視する「経済の警察官」の役割を持つ機関は何ですか。


7. 基礎用語の確認問題の答え

【問1】 独占

【問2】 寡占

【問3】 管理価格

【問4】 独占禁止法

【問5】 公正取引委員会


8. まとめ

  1. 市場が少数の企業に支配される独占・寡占が進むと、価格競争が弱まり、価格が下がりにくくなる
  2. 大企業が他社の動きを見て決める価格を管理価格といい、缶コーヒーなどがその代表例である
  3. 不当な価格決定から消費者を守るために独占禁止法が定められている
  4. 価格の監視は公正取引委員会が行い、健全な競争をうながしている
  5. 富士山の入山料のように、価格を使って需要(人数)を調整することもある
  6. 生活に不可欠な公共料金は、政府などが認可・決定して急激な変化を防いでいる

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