皆さん、こんにちは!「社会人先生」です。今日も楽しく公民を学んでいきましょう。
「世界遺産って、ただの古い建物じゃないの?」
「海外の人と一緒に平和な社会を作るために、一番大切なことって何?」
世界には多種多様な人々がいて、それぞれ独自の文化や宗教を大切にしています。日本が世界と協力していくためには、お金や技術だけでなく、一人ひとりの「命」を守り、相手の「心」を理解する力が必要です。
今回は、世界遺産からビジネスの失敗談まで、これからの地球社会を生き抜くためのキーワード「人間の安全保障」と「異文化理解」についてスッキリ解説します!
より良い地球社会を目指して
1. 世界の宝物を守る!UNESCOと世界遺産
世界中の貴重な自然や文化財を「人類共通の遺産」として守っているのが、国連の専門機関であるUNESCO(ユネスコ)です。
- 世界遺産の数(2026年時点目安):
- 世界全体:1,223件
- 日本国内:26件(法隆寺、原爆ドーム、知床など)
世界遺産には、その地域の「宗教」と深く結びついたものがたくさんあります。
| 建物・場所の例 | 関連する宗教 |
| ノートルダム大聖堂 | キリスト教 |
| 法隆寺・五重塔 | 仏教 |
| タージ・マハル | イスラム教 |

2. 「自分事」として守る:人間の安全保障
これまで「安全保障」といえば、国が国を守る「国家の安全保障」が中心でした。しかし、今の世界では国だけを守っても、そこに住む人々が飢えや病気、紛争で苦しんでいては本当の平和とは言えません。
そこで生まれたのが人間の安全保障という考え方です。
- 意味:一人ひとりの人間に注目し、「恐怖(紛争や人権侵害)」と「欠乏(貧困や病気)」から人々を守り、その人が持っている可能性を伸ばすこと。
- 日本の役割:日本はこの考え方を外交の柱にしており、かつて国連難民高等弁務官を務めた緒方貞子さんらが世界に広めるために大きく貢献しました。
3. 【教訓】文化を無視した失敗:異文化理解の重要性
日本が海外と協力したり、ビジネスをしたりする時に絶対に忘れてはいけないのが宗教や文化への配慮です。相手を理解しようとしないと、取り返しのつかない事態になることがあります。
味の素インドネシア事件(2000年〜2001年)
日本の大手食品メーカー「味の素」の現地法人で起きた事件です。
- 原因:製品を作る過程で、イスラム教で禁じられている「豚」に由来する物質がわずかに使われていたことが判明しました。
- 結果:イスラム教徒が多いインドネシアで「神聖な教えを汚された」と激しい抗議が起き、製品が燃やされたり、日本人役員が逮捕されたりする大事件になりました。
これは、「相手の文化や宗教(ハラール)への想像力が足りなかった」ことが原因です。異文化理解とは、単に知識として知っているだけでなく、相手が大切にしているものを自分も大切にする姿勢のことなのです。
4. より良い地球社会へ:文化の多様性を認め合おう
UNESCOは「文化の多様性に関する世界宣言」を出し、文化の多様性を「人類共通の遺産」と位置づけました。
自分たちの文化が「正しい」と決めつけるのではなく、異なる文化を「違い」として認め合うことが、紛争を防ぎ、協力し合うための第一歩です。
豆知識:ハラールマークの重み
イスラム教徒にとって、食べ物が「ハラール(許されたもの)」かどうかは、命の次に大切な信仰の問題です。現在、日本の空港やレストランでも「ハラール認証」を受けた食事を用意する場所が増えています。これも立派な異文化理解の形ですね。
5. 基礎用語の確認問題(5問)
【問1】 世界の文化遺産や自然遺産を保護している、国連の専門機関の略称は何ですか。
【問2】 国家ではなく「一人ひとりの人間」に注目し、恐怖や欠乏から守る考え方を何といいますか。
【問3】 イスラム教で「許されたもの」を指し、食べ物などの基準となる言葉を何といいますか。
【問4】 日本の元国連難民高等弁務官で、「人間の安全保障」の普及に尽力した人物は誰ですか。
【問5】 UNESCOが宣言した、異なる文化を互いに認め合い、人類共通の遺産とする考え方を何といいますか。
6. 基礎用語の確認問題の答え
【問1】 UNESCO(ユネスコ)
【問2】 人間の安全保障
【問3】 ハラール(ハラル)
【問4】 緒方貞子
【問5】 文化の多様性
7. 入試に出る記述問題
【問題】
「人間の安全保障」とはどのような考え方か。「国家」と「個人」という言葉を使って説明しなさい。
8. 答え
【解答例】
これまでの国家を単位とした安全保障だけでなく、個人(一人ひとりの人間)に注目し、紛争や貧困などのあらゆる脅威から人々を守り、自立を助けるという考え方。

