皆さん、こんにちは!「社会人先生」です。今日も楽しく公民を学んでいきましょう。
「日本ってお金持ちの国なの?」
そう聞かれたら、あなたはどう答えますか?
「世界でもトップクラスの経済大国だよ」と答える人が多いかもしれません。しかし、最新のデータでは日本はドイツに抜かれ、世界4位となりました。さらに、日本で暮らす私たちの「幸せ」や「将来の安心」については、多くの課題が見えてきています。
今回は、最新のランキングデータを見ながら、「経済の持続可能性」と、私たちが目指すべき「真の豊かさ」についてスッキリ解説します!
経済の持続可能性と真の豊かさ
1. 「豊かさ」を測るモノサシ、GDPの現実
国の経済的な力を測る代表的な指標が、国内総生産(GDP)です。これは、一定期間に国内で新しく生み出された「付加価値」の合計、つまり**「国の稼ぐ力」**のことです。
| 順位 | 国名 | GDP(2023年推計) |
| 1位 | アメリカ | 世界最大の経済大国 |
| 2位 | 中国 | 巨大な人口と市場 |
| 3位 | ドイツ | 日本を抜いて浮上 |
| 4位 | 日本 | 世界4位へ後退 |
日本は長年、アメリカ・中国に次ぐ世界3位でしたが、現在はドイツに抜かれ第4位となっています。さらに、国民一人ひとりがどれだけ豊かかを示す「一人あたりのGDP」を見ると、日本は世界で30位前後まで下がっており、他の先進国に大きく差をつけられているのが現状です。
2. 数字で見える日本の「強み」と「弱み」
日本の本当の姿を、様々な世界ランキングから見てみましょう。驚くようなデータがたくさんあります。
日本の「強み」:安全と長寿
- 平均寿命:世界第1位。健康で長生きできる環境があります。
- 都市の安全度:世界第3位。治安の良さは世界トップクラスです。
- 平和な国ランキング:世界第9位。紛争が少なく穏やかな社会です。
日本の「課題」:心と経済のゆとり
- 幸福度ランキング:世界第58位。経済力に比べて「幸せ」を感じている人が少ないです。
- 労働生産性:先進国の中で最低水準(ワースト1位になることも)。効率よく働けていない課題があります。
- 意欲の低さ:出世意欲や起業意識、有給休暇取得率が軒並み世界ワースト1位というデータもあります。
豆知識:GDPが増えれば幸せになれる?
実は、GDPなどの「モノの豊かさ」がある程度まで上がると、それ以上増えても「心の幸せ(幸福度)」はあまり上がらなくなるという研究があります。これを「幸福のパラドックス」と呼びます。今の日本は、モノの豊かさの先にある「心の豊かさ」をどう作るかが問われています。
3. 日本経済の「持続可能性」を脅かすもの
今の「豊かさ」を将来も維持できることを持続可能性(サステナビリティ)と言います。日本はこの持続可能性において、深刻な問題を抱えています。
① 世界1位の高齢化
日本の高齢者人口比率は世界第1位です。働く人が減り、支えられる高齢者が増えることで、年金や医療といった社会保障制度の維持が難しくなっています。
② 膨らみ続ける「国の借金」
日本の政府債務残高対GDP比(国の借金の割合)は、主要国の中でワースト1位です。この借金は、将来を担う皆さんの世代への負担となってしまいます。
③ 低い生産性と格差
モノを作る効率(労働生産性)が低いため、給料が上がりにくく、経済の勢いが弱まっています。また、子どもの貧困率がG7の中でも高いなど、格差の問題も「持続可能性」を妨げる要因になっています。
4. 基礎用語の確認問題(5問)
【問1】 ある国の中で一定期間に生産された付加価値の合計を示す、国の経済力の指標を何といいますか。
【問2】 環境・社会・経済が、将来の世代にわたって維持できることを何といいますか。
【問3】 現在、日本のGDP(国内総生産)は世界で何位ですか。
【問4】 人口に占める65歳以上の割合が高まることを何といいますか。
【問5】 OECDなどが発表している、住居、所得、ワークライフバランスなどから「生活の質」を測る指標を何といいますか。
5. 基礎用語の確認問題の答え
【問1】 国内総生産(GDP)
【問2】 持続可能性(サステナビリティ)
【問3】 第4位
【問4】 高齢化(または少子高齢化)
【問5】 より良い暮らし指標(Better Life Index)
6. 入試に出る記述問題
【問題】
GDP(国内総生産)の数字だけでは、国民の「豊かさ」を十分に判断できないとされるのはなぜですか。日本の現状に触れながら説明しなさい。
7. 答え
【解答例】
GDPは経済活動の規模を示す指標であり、健康や治安、心の幸福度、余暇の時間といった「生活の質」の側面を直接測ることはできないため。日本は高い経済力を持ちながら幸福度ランキングが低いことがその一例である。
