皆さん、こんにちは!「社会人先生」です。今日も一緒に社会科の公民分野について学んでいきましょう!
前回は、住民が選んだ2人の代表がチェックし合う「二元代表制」について学びました。
でも、「自分たちが選んだ代表なのに、全然思い通りに動いてくれない!」なんてことがあったらどうすればいいでしょうか?次の選挙までじっと待つしかないのでしょうか?
いえ、そんなことはありません。住民には、直接政治に「これをやって!」「これをやめて!」と要求できる強力な権利があります。それが今回学ぶ直接請求権(ちょくせつせいきゅうけん)です!
住民の直接請求権
1. 「直接請求権」ってどんなもの?
地方自治では、住民の意思をより強く反映させるために、直接民主制(ちょくせつみんしゅせい)的な仕組みが取り入れられています。
授業で「夏休み廃止!休憩5分!」なんていうとんでもない条例案が出されたら……と想像しましたね。それを阻止したり、逆に自分たちでルールを作ったりするための「署名活動」のルールを確認しましょう。
2. これだけは覚えよう!直接請求権のまとめ
請求する内容によって、「必要な署名の数」と「どこに言うか(請求先)」が違います。ここがテストの最重要ポイントです!
| 請求の種類 | 必要な署名数(有権者の) | 請求先 | 内容 |
| 条例の制定・改廃 | 50分の1 以上 | 首長 | 新しいルールを作ったり、変えたりする |
| 事務の監査 | 50分の1 以上 | 監査委員 | 仕事やお金の使い方が正しいかチェックする |
| 議会の解散 | 3分の1 以上 | 選挙管理委員会 | 議会を一度リセットする |
| 首長・議員の解職 | 3分の1 以上 | 選挙管理委員会 | リーダーや議員を辞めさせる(リコール) |
【先生のアドバイス!】
広島市の有権者が約100万人だとすると、条例を作ってほしい時は約2万人の署名が必要です。一方、誰かを辞めさせるリコールはハードルが高く、約33万人もの署名が必要になります。

3. 署名のあとのステップ
署名が集まったらゴール……ではありません。
- 条例・監査の場合:首長が議会にかけたり、監査委員が結果を公表したりします。
- 解散・解職(リコール)の場合:署名が受理されると、最後に「住民投票が行われます。そこで過半数の同意」が得られれば、実際に議会が解散したり、首長がクビになったりします。
4. 基礎用語の確認問題(5問)
【問1】 住民が一定数の署名を集めて、地方公共団体に直接要求を行う権利を何といいますか。
【問2】 新しい条例を作ってほしいと請求する場合、有権者の何分の1以上の署名が必要ですか。
【問3】 仕事やお金の使い方が適正かどうかを調べる「監査」の請求先はどこですか。
【問4】 首長や議員を任期途中で辞めさせる請求のことを、カタカナで何といいますか。
【問5】 首長や議員を辞めさせる請求(解職請求)をする際、必要な署名の数は有権者の何分の1以上ですか。
5. 基礎用語の確認問題の答え
【問1】 直接請求権
【問2】 50分の1
【問3】 監査委員
【問4】 リコール
【問5】 3分の1
6. 高校入試対応:記述問題
【問題】
地方自治において、選挙以外に「直接請求権」が認められているのはなぜか。「直接民主制」という言葉を使って、その理由を簡潔に書きなさい。
【解答例】
代表者を通じた間接民主制を補い、住民が直接政治に参加する直接民主制的な要素を取り入れることで、より住民の意思を反映させるため。7. まとめ
直接請求権は、私たち住民が持っている「最後の手札」のようなものです。
「50分の1」や「3分の1」という数字は、一人では難しくても、街の人たちが団結すれば動かせる数字です。
私たちの街に「梅干しでおにぎり条例」や「子ほめ条例」のようなユニークな条例があるのも、もしかしたら誰かの「こんな街にしたい!」という想いから始まっているのかもしれませんね。
