お金が足りない!?地方財政のピンチと「夕張市」から学ぶ未来

皆さん、こんにちは!「社会人先生」です。今日も一緒に社会科の公民分野について学んでいきましょう!

「自分たちの街を良くしたい!」と思っても、お金がなければ何もできません。今回は、地方公共団体のサイフ事情である「地方財政(ちほうざいせい)」について深掘りします。実は、多くの自治体が自分たちのお金だけではやっていけない、厳しい現実があるんです。

地方公共団体の課題


1. 地方公共団体の収入(歳入)の仕組み

地方公共団体が収入を得て支出する活動を地方財政といいます。特に注目すべきは、お金をどこから持ってくるかという「歳入(さいにゅう)」の内訳です。

自主財源(自分たちで集めるお金)

  • 地方税:住民がその地域に納める税金。これが多ければ多いほど、独自の政策が行いやすくなります。

依存財源(国からもらう・借りるお金)

  • 地方交付税交付金:自治体ごとの「貧富の差」をなくすためのお金。収入が少ない地域に国から配分されます。使い道は自由です。
  • 国庫支出金:道路の整備や義務教育など、特定の仕事のために国が費用を一部負担するお金。使い道が決まっています
  • 地方債:地方公共団体の借金です。

2. 「地方交付税交付金」は格差を埋める調整役

例えば、都会のA県は税金がたっぷり(90億円)集まり、田舎のB県は少し(10億円)しか集まらないとします。このままではB県の住民サービスがボロボロになってしまいますよね。

そこで国は、B県に多くのお金を配分し、どの地域に住んでいても一定のサービスが受けられるように調整します。これが地方交付税交付金の役割です。


3. 財政破綻の衝撃:北海道夕張市のケース

もし、借金(地方債)が増えすぎて返せなくなったらどうなるでしょうか?2006年に財政破綻した北海道夕張市の例は非常に深刻です。

  • 行政サービスの低下:職員が300人から120人に激減。学校の統合、公園や公衆便所の閉鎖が相次ぎました。
  • 住民負担の激増:市民税や下水道料金が上がり、ゴミ処理手数料などの新しい負担が増えました。

地方公共団体は国と違ってお札を刷ることができません。そのため、破綻を防ぐために自治体財政健全化法という法律で作られ、早めに経営を立て直す仕組みが導入されました。


4. 基礎用語の確認問題(5問)

【問1】 地方公共団体が自分たちで集める「地方税」などの財源を何といいますか。

【問2】 自治体間の財政格差をなくすために国から配分される、使い道が自由なお金を何といいますか。

【問3】 教育や道路整備など、特定の仕事のために国が使い道を限定して出すお金を何といいますか。

【問4】 予算が足りないときに発行する、地方公共団体の借金を何といいますか。

【問5】 財政が悪化した自治体に、早期の改善を求めるために制定された法律を何といいますか。


5. 基礎用語の確認問題の答え

【問1】 自主財源

【問2】 地方交付税交付金

【問3】 国庫支出金

【問4】 地方債

【問5】 自治体財政健全化法


6. 高校入試対応:記述問題

【問題】地方交付税交付金」が、国から地方公共団体に配分される目的を、「格差」という言葉を使って簡潔に説明しなさい。

【解答例】

地方公共団体ごとの地方税収入の格差を調整し、どの地域でも一定の行政サービスを受けられるようにするため。

7. まとめ

地方財政を学ぶと、私たちの生活が「税金」と「国からのサポート」の絶妙なバランスで成り立っていることが分かります。

多くの自治体が自分の力(自主財源)だけでは運営できず、国に頼る「依存財源」の割合が高いのが日本の現状です。

もし自分たちの街が夕張市のような「財政破綻」に陥ったら、大好きな公園が消え、税金が跳ね上がるかもしれません。

「お金をどこに使うか」を決めるのは、私たちが選んだリーダーたちです。

地方財政を知ることは、私たちの街の未来を守るための第一歩。まずは自分の街のホームページで「予算」の内訳をのぞいて、お金が正しく使われているかチェックしてみませんか?


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