皆さん、こんにちは!「社会人先生」です。今日も一緒に社会科の公民分野について学んでいきましょう!
「国のトップ(内閣総理大臣)は選べないのに、どうして市長や知事は直接選べるの?」と考えたことはありませんか?実は、地方自治には国とは違う「住民が主役」になれる強力な仕組みがあるんです。今日はその秘密を解き明かしましょう!
地方自治の仕組み
1. 2つの代表を選ぶ「二元代表制」
地方公共団体では、住民が「首長(知事や市町村長)」と「地方議員」の両方を直接選挙で選びます。これを二元代表制(にげんだいひょうせい)といいます。
- 首長(執行機関):独自の政策をスピーディに行う「地域の顔」。
- 議会(議決機関):首長のやりすぎをチェックし、予算や「条例」を決める。
国政(議院内閣制)に対し、地方自治は「大統領制」に近い仕組みです。だからこそ、リーダーの個性が街のカラーに大きく影響するんですね。

2. その街だけの独自ルール「条例」
地方公共団体は、その地域独自の法律である条例(じょうれい)を作ることができます。
世の中にはユニークな条例がたくさんあります!
- 「焼酎で乾杯」条例(宮崎県日南市)
- 「梅干しでおにぎり」条例(和歌山県みなべ町)
- 「朝ごはん」条例(広島県など各地)
授業でも「テスト期間中の塾代補助」や「受験生優先車両」など、面白いアイデアが出ました。これらは夢物語ではなく、実際に実現させる「武器」を私たちは持っています。
3. 伝家の宝刀「直接請求権」
「こんな条例を作ってほしい!」あるいは「不当な仕事をしていないか調べてほしい!」という時、住民が署名を集めて要求できる権利を直接請求権といいます。

テストで特に出やすい「署名の数」と「請求先」を整理しましょう!
| 請求の種類 | 必要な署名数 | 請求先 | 備考 |
| 条例の制定・改廃 | 50分の1以上 | 首長 | 議会で審議される |
| 事務の監査 | 50分の1以上 | 監査委員 | 仕事の不正をチェック |
| 議会の解散 | 3分の1以上 | 選挙管理委員会 | 住民投票で過半数なら解散 |
| 首長・議員の解職 | 3分の1以上 | 選挙管理委員会 | いわゆるリコール |
| 副首長などの解職 | 3分の1以上 | 首長 | 議会の同意が必要 |
例えば、広島市の有権者が約100万人なら、約2万人の署名を集めれば「新しい条例案」を強制的に議会のテーブルに乗せることができるのです。
4. 基礎用語の確認問題(5問)
【問1】 住民が首長と地方議員の両方を直接選ぶ仕組みを何といいますか。
【問2】 地方公共団体が定める、その地域独自の決まり(法)を何といいますか。
【問3】 条例の制定・改廃を請求する際、必要な署名は有権者の何分の1以上ですか。
【問4】 事務の監査を請求する際、請求先はどこですか。
【問5】 住民投票で過半数の賛成があれば、首長や議員を辞めさせることができる権利を何といいますか。
5. 基礎用語の確認問題の答え
【問1】 二元代表制
【問2】 条例
【問3】 50分の1
【問4】 監査委員
【問5】 リコール(解職請求)
6. 高校入試対応:記述問題
【問題】
日本の国政(内閣)の仕組みと比較して、地方自治の仕組みにおける「首長」の選出方法の特徴を簡潔に説明しなさい。
【解答例】
国政では国会が内閣総理大臣を指名するが、地方自治では住民の選挙によって首長を直接選出する。7. まとめ
地方自治が「民主主義の学校」と呼ばれる本当の理由は、自分たちの手で街を動かすシステムが完成されているからです。
「二元代表制」で自分たちのリーダーを選び、「条例」で独自のルールを作り、「直接請求権」で不満を形にする。これらはすべて、私たちが「主権者」として力を発揮するための仕組みです。
今はまだ選挙権がなくても、自分が住む街にどんな条例があるのか調べるだけで、政治の見え方は変わります。18歳になって初めて投票所へ行くのではなく、今この瞬間から「自分ならどんな街にしたいか」を考えることが、最高の社会勉強になりますよ!
