国際連合の仕組みと役割を徹底解剖~世界を動かす「最強のルール」!?~

国際社会の仕組み

皆さん、こんにちは!「社会人先生」です。今日も楽しく公民を学んでいきましょう。

「世界から戦争をなくすことはできるの?」 誰もが一度は願うこの問いに、真正面から向き合っている組織が国際連合(国連)です。2026年現在、日本はGDPでドイツに抜かれ世界4位となりましたが、依然として国際社会での貢献度は高く、国連での役割も非常に期待されています。

しかし、今の国連には「理想」だけでは語れない、厳しい「現実」や「日本の悩み」もたくさんあります。今回は、テストに出る基本から、ニュースでは教えてくれないディープな課題まで、スッキリ解説します!

国際連合の旗 – Wikipedia

国際連合の仕組みと役割


1. 世界の憲法「国際連合憲章」と「消えない不名誉」

国連という巨大な組織が動くための根本的なルール、それが国際連合憲章です。

1945年に採択されたこの憲章には、国際平和、友好関係、国際協力という素晴らしい目的が書かれています。

知っておきたい「敵国条項」のナゾ 実は、この憲章には今も敵国条項(てきこくじょうこう)という言葉が残っています。これは第二次世界大戦で負けた国(日本、ドイツなど)を「敵国」とし、もしまた暴れ出したら国連の許可なく攻撃してもよい……という、日本にとっては非常に不名誉なルールです。 現在では「効力はない」とされていますが、いまだに削除されていないことは、日本が国連改革を訴える大きな理由の一つになっています。


2. 全員参加の「総会」:一国一票の主権平等

国連の最も基本的な組織が総会です。

  • メンバー:全加盟国(約190カ国以上)が参加します。
  • 主権平等の原則:どんなに面積が小さな国でも、アメリカや中国と同じ「1票」を持っています。これを一国一票の原則といいます。
  • 役割:話し合いで「勧告」を出しますが、国々を強制的に従わせる力はありません

3. 安全保障理事会と「拒否権」の限界

世界の平和を脅かす国に対して強制力を持つのが安全保障理事会(安保理)です。

解決できない紛争

現在、ウクライナ戦争やパレスチナ問題など、世界中で悲しい紛争が続いています。なぜ国連は止められないのでしょうか? その最大の壁が常任理事国の拒否権です。

  • ウクライナ戦争:当事者であるロシアが拒否権を発動し、国連としての行動をブロック。
  • パレスチナ問題:イスラエルを支援するアメリカなどが拒否権を発動し、停戦の決議がなかなか通らない。

「平和の番人」であるはずの安保理が、一部の大国の意見で動けなくなっているのが今の大きな課題です。

豆知識:なぜこの5カ国だけ「拒否権」があるの?

理由は、この5カ国が第二次世界大戦の「連合国(勝った側)」の中心メンバーだったからです。「大きな力を持つ国どうしが戦えば世界が滅びてしまう。だから大国どうしの意見が一致しない限り、大きな行動は起こさない」という考え方(大国一致の原則)に基づいています。


4. 日本の貢献と「報われない現実」?

日本は国連において、非常にお金と熱意を注いでいます。

① 世界3位の分担金と「滞納」問題

日本の国連分担金(会費)は、アメリカ、中国に次いで世界第3位です。日本は常にきっちり支払っています。 一方で、1位のアメリカは支払いを「滞納(たいのう:遅れていること)」していることが多く、これが国連の財政を苦しめているという皮肉な現実があります。

② お金は出すけど「人は少ない」

日本は多額のお金を出していますが、国連の事務局で働く日本人職員数は、その貢献度に見合わず非常に少ないのが現状です。言葉の壁や専門性の違いなど理由は様々ですが、もっと日本人が国連の中枢で活躍することが期待されています。


5. 私たちの生活を支える「専門機関」

国連は戦争を防ぐだけでなく、様々な分野で専門的な活動をしています。

機関名(略称)主な活動内容特徴
UNESCO(ユネスコ)教育、科学、文化の振興。世界遺産の登録・管理を行っています。
WHO(世界保健機関)感染症対策や健康の向上。パンデミックなどの際に世界で協力体制を作ります。
UNICEF(ユニセフ)開発途上国の子どもへの援助。募金活動などで私たちに最も身近な組織です。

6. 基礎用語の確認問題(5問)

【問1】 安全保障理事会において、ずっとメンバーであり続ける5カ国を何といいますか。

【問2】 常任理事国の5カ国だけが持つ、決議を阻止できる強力な権利を何といいますか。

【問3】 日本やドイツを「敵」として扱う、国連憲章に残る条項を何といいますか。

【問4】 日本の国連分担金の支払い順位は世界で何位ですか。

【問5】 発展途上国の子どもの保護や援助を主に行う、国連の専門機関は何ですか。


7. 基礎用語の確認問題の答え

【問1】 常任理事国

【問2】 拒否権

【問3】 敵国条項

【問4】 第3位

【問5】 UNICEF(国連児童基金)


8. 入試に出る記述問題

【問題】

現在、ウクライナ戦争などの紛争解決において国際連合が十分に機能していないとされる理由を、「常任理事国」と「拒否権」という言葉を使って説明しなさい。


9. 答え

【解答例】

紛争の当事国やその支援国が安全保障理事会の常任理事国である場合、自国に不利な決議に対して拒否権を発動するため、国連としての制裁や具体的な行動が決定できなくなるから。


10. まとめ

  1. 国際連合憲章には今も日本などを対象とした敵国条項が残っており、削除が課題である
  2. 総会主権平等(一国一票)だが強制力がなく、安保理は拒否権によって紛争解決が遅れる課題がある
  3. ウクライナやパレスチナの情勢は、大国の拒否権によって国連の限界が浮き彫りになっている
  4. 日本は分担金3位の貢献をしているが、米国などの滞納や日本人職員の少なさが課題である
  5. UNESCOWHOUNICEFなどの専門機関が、文化・健康・子どもの分野で世界を支えている
  6. 私たち主権者は、国連の「理想」だけでなく「限界」も知った上で、どう平和を作るか考える必要がある

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