君の一票には500円の価値がある? 民主主義 の仕組みとコスト

皆さん、こんにちは!「社会人先生」です。今日も一緒に社会科の公民について学んでいきましょう!

歴史の教科書で、石の下敷きになった平民の上に、聖職者と貴族が乗っている風刺画を見たことはありませんか?かつてのフランスのような「王政」では、国民は代表を選べず、一部の特権階級が権力を握っていました。

しかし、現代の日本は違います。アメリカ大統領リンカンが説いた「人民の、人民による、人民のための政治」。私たちが主役となる 民主主義 について、その歴史と意外なお金の話を交えて解説します!

政治と民主主義


1. 民主主義とは何か?――王政との違い

民主主義とは、簡単に言えば 国民が選んだ代表者が政治を行う仕組み のことです。

  • 王政:代表者を国民が選ぶことはできず、交代もありません。
  • 民主制:国民が「選挙」によって代表を選びます。代表者の交代があるため、国民の意見が政治に反映されやすいのが特徴です。

2. 民主主義にかかる「お金」と「工夫」

実は、民主主義を維持するには莫大なコストがかかります。

例えば、衆議院議員選挙を1回行うのに必要な予算は約 535億円。これは国民一人あたり約 500円 を負担している計算になります。

このお金は、ポスターの掲示、選挙カーのガソリン代、人件費、そして 投票用紙 などに使われます。

ちなみに、投票用紙には「ユポ紙」という特殊な合成紙が使われています。

  • ユポ紙の特徴:折っても箱の中で自然に開く性質(計数機での処理がスムーズになる)があり、水にも強く破れにくい。1枚約3円のこの紙には、選挙を正確かつスピーディーに進めるための工夫が詰まっているのです。

3. 選挙権の歴史を復習!

今の「18歳以上の男女全員」が投票できる権利は、先人たちの努力によって勝ち取られたものです。

  1. 1890年(第1回選挙):直接国税15円以上納める満25歳以上の 男子のみ
  2. 1925年(普通選挙法):納税額に関係なく、25歳以上の すべての男子 へ。
  3. 1945年(戦後改革):GHQの指示により、ようやく 女性にも選挙権 が認められました。

4. 直接民主制と間接民主制の違い

民主主義には、大きく分けて2つの形があります。

  • 直接民主制:国民が物事を直接話し合い、決定する方法。
    • 例:生徒総会、憲法改正の国民投票、地域の問題を決める住民投票など。
  • 間接民主制(議会制民主主義):代表者を選び、その代表者が議会で話し合って決定する方法。
    • 例:国会議員選挙、県知事選挙、生徒会役員選挙など。

5. キーワードまとめ

用語内容
民主主義国民が主権を持ち、自分たちで選んだ代表者を通じて政治を行う仕組み。
普通選挙法1925年制定。納税額の制限を撤廃し、25歳以上のすべての男子に選挙権を与えた。
直接民主制国民が直接、意思表示をして物事を決定する仕組み。
間接民主制国民が選んだ代表者が議会で話し合って決定する仕組み。議会制民主主義ともいう。

6. 基礎用語の確認問題(5問)

【問1】 「人民の、人民による、人民のための政治」という言葉で民主主義を象徴したアメリカ大統領は誰ですか。

【問2】 1925年、納税額による制限をなくし、すべての男子に選挙権を認めた法律を何といいますか。

【問3】 国民が直接投票して物事を決める仕組みを何といいますか。

【問4】 国民が選んだ代表者が議会で話し合って政治を行う仕組みを何といいますか。

【問5】 憲法改正の際、賛成か反対かを国民一人ひとりが投票して決める仕組みは、直接・間接どちらの民主制ですか。


7. 基礎用語の確認問題の答え

  • 【問1】 リンカン
  • 【問2】 普通選挙法
  • 【問3】 直接民主制
  • 【問4】 間接民主制(議会制民主主義)
  • 【問5】 直接民主制

8. 高校入試対応:記述問題

【問題】

現在の日本で、多くの政治判断において直接民主制ではなく「間接民主制(議会制民主主義)」が採用されているのはなぜか。その理由を、コストや効率の面から説明しなさい。

【解答例】

国民の数が非常に多いため、すべての物事を全員で話し合って決定しようとすると、莫大な時間と費用がかかり、効率的に政治を進めることが困難だから。

私たちの学校生活でも、生徒総会(直接)や生徒会選挙(間接)を通じて、民主主義を体験しています。一票を投じるのには大きなお金がかかっていますが、それは私たちが「政治の主人公」であるための大切なコストなのです。


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