皆さん、こんにちは!「社会人先生」です。今日も一緒に社会科の公民について学んでいきましょう!
「芸能人の住所が本に載るってあり?」
「ネットでの悪口や個人情報の流出、どう守ればいい?」
現代社会、特にインターネットが当たり前になった今の時代において、最も身近で重要なのが「情報」にまつわる人権です。今日は、有名グループの裁判例や、私たちの生活を守る制度について分かりやすく解説します!
新しい人権②
1. プライバシーの権利 vs 表現の自由:SMAP裁判
皆さんは「おっかけ」という言葉を知っていますか?タレントの移動先までついていく熱狂的なファンのことですが、かつてこの「おっかけ」を助長するような本が問題になりました。
衝撃の「おっかけマップ」事件
1997年、ある出版社が人気アイドルグループ・SMAPのメンバーの自宅住所や電話番号を無断で載せた本を出版しようとしました。これに対し、メンバー側は「私生活を勝手に公開されるのは耐えられない」と、出版の差し止めを求めて裁判を起こしたのです。
ここで対立したのが、2つの人権です。
- プライバシーの権利:私生活の秘密を勝手に他人に公開されない権利。
- 表現の自由:出版や言論を通じて情報を発信し、伝える自由。
裁判の結果:最高裁の判断
最高裁判所まで争われた結果、タレント側の勝訴となりました。
裁判所は「表現の自由は大切だが、個人のプライバシーを著しく侵害してまで認められるものではない」と判断し、本の出版禁止を命じました。
2. 情報を守る・開示させる新しい制度
情報化社会に対応するために、憲法を補う新しい法律や制度が作られています。
個人情報保護制度
企業や役所が持っている個人のデータを厳重に管理することを義務付けたのが 個人情報保護制度 です。ニュースで「情報の流出」が大きく報じられるのは、この法律によって守られるべき権利が侵害されたからなのです。
知る権利と情報公開制度
私たちは、政府や地方自治体がどのような仕事をしているのかを知る必要があります。これを 知る権利 といいます。
この権利を保障するために、公文書の開示を求めることができる 情報公開制度 が整えられました。
3. インターネットと新しい人権の課題
憲法ができた当時には、インターネットやSNSは存在していませんでした。
今、ネット上での プライバシー侵害 や 名誉毀損(他人の評判を傷つけること)が大きな社会問題になっています。
「誰でも自由に発信できる」という 表現の自由 は、誰かの権利を傷つけてまで認められる「無敵の自由」ではありません。ここでも、以前学習した 公共の福祉(みんなの幸せ)という考え方が、自由を制限する根拠となるのです。
4. キーワードまとめ
| 用語 | 内容 |
| プライバシーの権利 | 私生活の秘密を勝手に他人に公開されない権利。憲法13条を根拠とする。 |
| 表現の自由 | 言論、出版など一切の表現活動を保障する権利(憲法21条)。 |
| 個人情報保護制度 | 企業や役所に個人情報の厳重な管理を義務づける仕組み。 |
| 知る権利 | 主権者である国民が、政治の判断に必要な情報の開示を求める権利。 |
| 情報公開制度 | 国や自治体が持つ公文書などの開示を、国民が請求できる制度。 |
5. 基礎用語の確認問題(5問)
【問1】 私生活の秘密を他人に勝手に公開されない権利を何といいますか。
【問2】 国や地方自治体が持つ情報の開示を求めることができる、国民の権利を何といいますか。
【問3】 知る権利を具体的に保障するために、行政情報の開示を請求できる仕組みを何といいますか。
【問4】 企業などに個人情報の厳重な管理を義務づけている制度を何といいますか。
【問5】 SMAP裁判で争われた、プライバシーの権利と対立した「出版などの自由」を何といいますか。
6. 基礎用語の確認問題の答え
- 【問1】 プライバシーの権利
- 【問2】 知る権利
- 【問3】 情報公開制度
- 【問4】 個人情報保護制度
- 【問5】 表現の自由(出版の自由)
7. 高校入試対応:記述問題
【問題】
プライバシーの権利よりも「表現の自由」が優先されるのは、どのような場合だと考えられますか。 公共の福祉 という言葉を使って説明しなさい。
8. 高校入試対応:記述問題の答え
【解答例】
その情報を知らせることが社会全体にとって大きな利益があり、公共の福祉(みんなの幸せ)にかなうと判断される場合。私たちの周りにはたくさんの情報があふれています。
プライバシーの権利 で自分を守り、 知る権利 で社会をチェックする。このバランスを理解することが、現代を生きる賢い国民への第一歩です。インターネットでの発信も、「誰かの権利を傷つけていないか?」を常に考えていきたいですね。
