皆さん、こんにちは!「社会人先生」です。今日も一緒に社会科の公民を学んでいきましょう!
突然ですが、皆さんにクイズです。「トマトは野菜でしょうか?それとも果物でしょうか?」
「そんなのどっちでもいいじゃん!」と思うかもしれませんが、実はこれ、アメリカで最高裁判所まで争われた大事件なんです。今日はこの不思議な「トマト裁判」を入り口に、裁判の2つの種類について学んでいきましょう!
裁判の種類と人権
1. アメリカを揺るがした「トマト裁判」の真実
19世紀のアメリカで、トマトの輸入業者が国を訴えました。理由は「お金」です。当時の法律では、「野菜には税金がかかるが、果物にはかからない」という決まりがありました。
- 業者の主張:「植物学的には果物だ!だから税金は払わない!」
- 国の主張:「いや、夕食のおかずになるんだから野菜だ!税金を払え!」
アメリカの最高裁判所の判決は……「トマトは野菜である」でした!
理由は「キュウリやカボチャと同じように野菜畑で育てられ、デザートにはならないから」。以来、トマトは「植物学では果物、法律では野菜」という不思議な存在になったのです。
2. 知っておきたい!裁判の「2つの種類」
トマト裁判のように、誰かが罪を犯したわけではない争いもあれば、泥棒や殺人などの事件もあります。裁判はこの2つに大きく分かれます。
① 民事裁判(みんじさいばん)
個人や企業(私人と呼びます)の間での「お金」や「契約」のトラブルを解決する裁判です。
- 訴えた人:原告(げんこく)
- 訴えられた人:被告(ひこく)
- ポイント:お互い法律の専門家である弁護士を雇えます。話し合いで解決する「和解」もあります。
② 刑事裁判(けいじさいばん)
犯罪について、有罪か無罪か、どんな罰(量刑)を与えるかを決める裁判です。
- 訴える人:検察官(けんさつかん)
- 訴えられた人:被告人(ひこくにん) ※起訴前は「被疑者」
- ポイント:検察官が裁判所に訴えることを起訴(きそ)といいます。

3. どっちの裁判?仕分けチャレンジ!
次のケースが「民事」か「刑事」か考えてみよう!
① バスにサザエさんの漫画を勝手に描き、財団から賠償金を求められた。
→ 民事裁判(著作権とお金の争い)
② 中学生が自動販売機で使うためにお札を偽造した。
→ 刑事裁判(通貨偽造という罪)
③ W杯ツアーで試合が見られなかったので、旅行会社に損害賠償を請求した。
→ 民事裁判(契約違反とお金の争い)
④ 高校生が「親に仕返し」として家を放火し殺害した。
→ 刑事裁判(放火・殺人という罪)
⑤ 芸能人がマネージャーを殴ったとして傷害容疑で訴えられた。
→ 刑事裁判(暴行・傷害という罪)
4. 基本用語のキーワード
| キーワード | 意味・ポイント |
| 民事裁判 | 私人の間の争いを解決する裁判。トマト裁判はこれ! |
| 刑事裁判 | 犯罪に対して有罪・無罪と刑罰の内容を決める裁判 |
| 原告 | 民事裁判で、訴えを起こした人のこと |
| 被告人 | 刑事裁判で、犯罪の疑いを受けて起訴された人のこと |
| 起訴 | 検察官が、裁判所に「この人を裁いてください」と訴えること |
5. 基礎用語の確認問題(5問)
【問1】個人や企業といった私人の間の争いについて解決する裁判を何といいますか。
【問2】民事裁判で、訴えを起こした側のことを何といいますか。
【問3】犯罪について、有罪か無罪かを決めるための裁判を何といいますか。
【問4】検察官が、被疑者を裁判にかけるために裁判所に申し立てることを何といいますか。
【問5】刑事裁判で、被告人が起訴されたあとの呼び名を何といいますか。
6. 基礎用語の確認問題の答え
【問1】民事裁判
【問2】原告
【問3】刑事裁判
【問4】起訴
【問5】被告人
7. 高校入試対応:記述問題
【問題】
刑事裁判において、被告人の人権を守るために認められている権利や制度について、「弁護士」という言葉を使って説明しなさい。
【解答例】
被告人は、法律の専門家である弁護士を弁護人として雇い、自分に有利な証拠を提出したり意見を述べたりすることで、不当な処罰を防ぐ権利が保障されている。「トマトは野菜か果物か」という一見小さな疑問が、最高裁判所まで行く大きな事件になる。
これが法律の世界の面白さです!
私たちの生活は、誰かと揉めたときの「民事裁判」と、社会のルールを破った人を裁く「刑事裁判」の2つに支えられています。
どちらも「誰が正しいか、どんな罪か」を証拠に基づいて慎重に決める場所。
今日、民事と刑事の違いが分かった皆さんは、明日からのニュースが「あ、これは賠償金の争いだから民事だね」と、一歩進んだ視点で見られるようになりますよ!
